経営課題

 新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、世界経済の先行きは未だ不透明な状況が続くものとみられ、引き続き経営成績に影響を与えるものとみております。
 2020年4月の緊急事態宣言の発令以降、建設工事の一時中断、大規模修繕工事の計画が延期されるなど、民間工事分野での影響が色濃くみられました。この状況は、2022年3月期上半期までは継続すると予想しておりますが、下半期より、大型物流倉庫の新設、ビルやマンションの維持修繕工事が再開されるなど、計画済み工事案件の発注が再開されると見込んでおります。
 さらに当社が提唱してきた安全性・施工性・保管効率に優れた次世代足場が本格的な普及期を迎えており、下半期の需要回復を見越して、第2四半期会計期間の後半から販売需要が高くなり、第3四半期会計期間にかけては、例年のトレンド通り、レンタル需要が高まってくるとみております。また、環境関連として政府の再生エネルギー政策の推進、アグリ事業では大手企業のIT技術を駆使した先端的な農業への取組、加えて、政府が推進する建設DX(デジタルトランスフォーメーション)により、当社グループにとって大きなビジネスチャンスになるとみております。これら需要を確実に取り込むため、これまで以上に顧客ニーズを素早く捉え、より顧客満足度を高めるサービスの見直し・開発を進めてまいります。
 海外事業におきましては、アフターコロナを見据え、経営体制の再点検及び整備、またアライアンス施策などを進めていくことでさらなる成長に繋げてまいります。また、当社グループが供給する製品は鋼製品が主であり、世界的な鉄鋼価格の急騰による製造原価の上昇が避けられないため、購買体制の見直しをはかり調達先の多様化と最適な生産体制の整備を進めてまいります。
 また、今期から2024年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画である「2021中期経営計画」を策定し、顧客課題を解決するソリューションとして、当社グループが要する5つの機能「開発・製造」、「販売」、「レンタル」、「設計・施工」、「管理・物流」(5本の矢)をDX、効率化、AI・IT技術等、生産性の向上と共にブラッシュアップし、顕在・潜在する顧客需要をしっかりと捉え、新たな製品やサービスの開発を推進し、ビジネスモデルのトランスフォームを完成させてまいります。

(1)「Iqシステム」を中心としたハードとソフトを融合したサービスの開発

 「Iqシステム」の次世代足場における製品面での優位性に代表されるハード面だけではなく、足場の管理・運用・コンサルティングなどのソフト面の提供によって、ハードとソフトの融合による新たなサービスを生み出し、次世代足場のデファクトスタンダード獲得のための競合優位性を構築してまいります。
 その中心的な役割を担う存在として「TakamiyaLab.West」(タカミヤラボ・ウエスト)を兵庫県尼崎市に開設し、仮設ビジネスの新たな可能性、ストック型ビジネスモデルの構築を目指します。

(2)維持補修・再インフラ向け製品の強化

日本国内の建設工事の元請完工高における維持補修(リフォーム・リニューアル)工事の割合は、増加傾向にあります。日本の高度経済成長期に整備新幹線、高速道路、鉄道などの主要インフラの整備が進み、これらインフラが建設されてから、およそ50年が過ぎ、全国各地で維持補修工事が進行しております。これら工事に対応する製品として、主に高速道路の維持修繕工事において、優れた施工性と安全性を提供するパネル式吊り棚足場「スパイダーパネル」、システム吊り棚足場「V-MAX」、ダムや送電設備など特に山間部における維持修繕工事において、大型クレーン等の重機の構台を工具レスで組立可能な「YTロックシステム」などの拡販に努めてまいります。また、レンタル事業におきましては、主に高層マンション向けに出荷してきた移動昇降式足場「リフトクライマー」に関しまして、土木分野での活用が広がり、建築・土木の両分野での拡販に努めてまいります。

(3)仮設部門以外の事業育成

仮設部門以外での事業分野では、アグリ事業を本格的な成長を促進させてまいります。埼玉県羽生市におきまして、当社が製造販売する農業用グリーンハウス「G-CastleNEO48」、「G-CastlePro1」を用いて実際に果菜類を栽培し、その性能を評価するための実証農場を建設しております。この実証農場では、当社製グリーンハウスの性能評価だけではなく、顧客の施設見学を受入れ、また、ハウス内の環境制御装置や最適な栽培方法の検証を行い、その検証結果を販売促進に活用致します。センシング技術を導入し、栽培に関する各種データを収集し、これらデータを顧客へ提供するなどの二次活用も進め、事業拡大に努めてまいります。

(4)海外事業基盤の再整備

海外事業基盤の再整備につきましては、特にフィリピンの子会社では、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、そこからの回復を待つことになりますが、依然として経済成長率は高く、有望な市場であり、建設投資はコロナ以前に回復すると見込んでいますので、それまでに管理体制や事業基盤の整備を進め、さらなる成長に向けて強化してまいります。