経営課題

当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による建設投資の減退、建設技能労働者の需給逼迫や資材価格の高騰などにより、引き続き不安要素はあるものの、中長期的には、社会インフラの再整備、災害対策としての防災・減災工事や老朽化したマンション、ビルなどの修繕、建替え工事、また、2025年に大阪で開催が予定されている国際博覧会に関連した建設工事などにより、公共・民間工事ともに底堅く推移するものと見込んでおります。仮設業界においては、次世代足場の普及が加速度的に進んでおり、同業他社との競合が一段と厳しい状況となりますが、当社にとってはより先行者メリットを活かせる市場環境になると予測しており、これらへの対応が喫緊の課題であると認識しております。
また、今後、建設投資の大きな流れが新設工事から維持補修工事へと移行することが予想され、これらに対応するための補修工事の工法提案力強化、足場施工体制の強化、また建設現場の働き方改革に寄与するための労働環境に配慮した新商品・新技術の開発が建設分野での課題であります。そして、新たな事業として、農業用ハウスの提供を中心としたアグリ事業関連の拡大による安定収益基盤の構築が次の課題となっております。さらに、成長性が期待されるASEAN地域を中心に海外事業の管理面の強化と投資スピードを早め、収益事業へとしていくことが将来のグローバル化に向けての重要な課題であると認識しております。これらの課題認識に基づき、当社グループは、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画の中で、ポストオリンピックの環境変化に対応できる経営基盤を構築すべく、以下のような経営方針を定め、各取り組みを推進してまいりました。足元では、新型コロナウイルス感染拡大の影響により事業環境に変化があると思われますが、当社グループは各国政府及び各自治体の方針に従い、感染防止策を講じ社員の安全を最優先に確保したうえで、顧客への供給責任と社会的責任を果たすべく、継続して各方針に基づいた施策を実施してまいります。

(1)経営基盤の強化

グループ各社の役割を明確化し、独立した経営を推進しつつ、グループ各社の専門性を活かした営業推進と顧客基盤の構築、グループ資産の運用効率の向上、商品・技術開発力の強化、グループ一体経営によるシナジーの最大化を図ります。また、IT基盤の強化を図るため、ERPの導入、工場の I oT化などを進め、経営の見える化とスピード化を実現してまいります。組織体制については、9本部体制とし、各本部での人材育成、働き方改革、生産性向上策、ガバナンス強化の推進によりグループ経営管理機能を強化してまいります。

(2)収益基盤の革新

グループ内の組織統合により、仮設機材の開発、製造、販売、レンタルの一貫体制が整備されたことから、これまでのレンタルを中心とした事業体制から販売に軸足を置いた事業体制に変革し、次世代足場「Iqシステム(アイキューシステム)」でのデファクトスタンダード獲得を確固たるものにしてまいります。販売事業においては、営業面は、これまでのルート営業を見直し、新規開拓と顧客のニーズ、課題解決に向けたソリューション営業を推進してまいります。工場の生産体制は、海外工場含め各工場での最適なプロダクトミックスとグローバル調達の実施により、原価低減をより重視した体制を構築してまいります。レンタル事業においては、社内の次世代足場「Iqシステム(アイキューシステム)」の入れ替え投資が一巡し、今後は高稼働率をキープするための新たなビジネスモデルを構築してまいります。その一環として、大阪湾岸エリア(兵庫県尼崎市)に開設予定の未来型機材センター構想では、AI、 I oT、AGVなどを導入し、機材の搬入出作業、運搬車両の待機時間低減、整備作業の省力化・少人化を進め、これまでの機材センターの概念にないサービスを提供し、レンタル機材の滞留期間を大幅に短縮し収益性を高めてまいります。その他の分野においてもアグリ事業関連、住宅用制震装置、基盤構造部材等の開発、製造、販売を強化し、販売事業の領域を拡大してまいります。

(3)海外展開の加速

海外展開においては、生産拠点としてのベトナム、韓国の製造子会社の原価低減を重視した生産体制の最適化を行います。特にベトナムについては生産力増強のための拡張を行い、日本国内への安定供給とASEAN地域での需要に対応する準備を完了いたします。営業拠点としてのフィリピンでは、レンタル資産への投資を加速させ旺盛な需要を取り込んでまいります。また、ASEAN地域での営業及びローカル有力企業とのアライアンスを推進し、海外展開のスピード化を図ってまいります。

(4)新たな成長事業の創出

今後の成長ドライバー創出に向けた研究開発の強化と既存事業の周辺領域、グループ機能拡充のための国内、海外でのM&Aにも積極的に取り組んでまいります。その他、次世代から未来の需要創造に向けた新規事業の創出と育成に努めてまいります。