Takamiya Action 社長が語る戦略の”今”
Takamiya Action 社長が語る戦略の”今”

「トランスフォーム」するための新たな挑戦。
長期にわたり価値を創造する企業グループへ。

未来思考による「トランスフォーム」

当社は2018年5月に、3ヵ年の新たな中期経営戦略を発表しました。2021年3月期を最終年度とする中期経営計画のスローガンは、「トランスフォーム」です。単なる「チェンジ」にとどまらず、未来思考でこれまでとは異なる全く新しい企業グループに生まれ変わるという決意、想いを込めたメッセージです。

国内は東京オリンピック・パラリンピック(東京2020)までは旺盛な建設需要が見込まれ、事業環境は好調であると考えられています。しかし、高需要に対応し、過去の延長線上による戦略だけでは、持続的な企業価値の向上や、さらなる成長を達成することはできません。その危機感のもと、目指すべき将来像を描き、その実現のために何をすべきかを、1年かけて徹底的に考え抜きました。

前中期経営計画では、事業環境の悪化などから下方修正を余儀なくされました。当期も計画が未達となってしまったことは非常に残念です。一方で、長期的に目指す姿と課題、その第一段階としての新たな中期経営計画の戦略は、明確になりました。
2018年3月期中は、事業環境が不透明であったことから明確な目標値を示してコミットできる状態にはありませんでしたが、すでにレンタル事業で稼働率が順調に上がるなど、需要は底を打ち、事業環境が好転しています。

当社が業界初で導入した次世代足場「Iqシステム」についても、同業他社の参入が市場全体を押し上げており、当社にとっては追い風です。今後、「従来商品から将来の商品(=次世代足場)へ」の流れが本格化することで、販売も順調に拡大していくと考えます。また、よりスピード感をもって事業に取り組むために、2018年1月にホリー(株)を吸収合併すると同時に、事業本部制を導入し、組織を変更しました。これらにより、レンタル、メーカー、施工など、全ての機能を連動させるための基盤が整いました。

新たな中期経営計画は、想定より1年遅れのスタートとなりましたが、これまで実施してきた投資を本格的に回収するとともに、2020年頃に向けて見込まれる高い需要を着実に取り込み、成果として示すことのできる3年間になると考えています。また、徹底的に生産性を高めて収益力の強化を図りながら、持続的な成長のための投資を実行します。安定的な収益を生み出す事業(ストック型)と、需要の変動を受けるものの高い成長も目指せる事業(フロー型)を並行して拡大させることで、持続的な成長を目指していきます。

トランスフォームによる新たな価値の創造

モノへの投資から生産性向上と「仕組み」づくりへ

国内市場は高需要の反面、労働者不足、首都圏への一極集中、地域格差といった根本的な課題が残されたまま2020年を迎えることになります。技術革新やイノベーションが進む中、常に新しい付加価値を提供し続ける企業努力なくしての発展は、考えられません。当社が2020年以降も飛躍・成長するためには、成熟した国内市場で安定的に収益をあげ、海外事業やアグリ事業などを次代の成長ドライバーとして確立していく必要があります。
これからの3年間は、あらゆる分野において徹底的に生産性を向上させ、高需要に対応するとともに、将来に向けた新たな「仕組み」や事業を構築し、その実現に向けて取り組んでいきます。それを着実に遂行することで、次の大きなビジネスチャンスをつかむことができ、2020年以降も高い収益性と成長を実現できると確信しています。

生産性を向上させるために、まず、モノづくりから管理に至る、今ある全ての「仕組み」をゼロベースで見直しています。
レンタル事業は特に「仕組み」を変えることで、新たな付加価値をつけることができます。「仕組み」を変え、業界の安全と高効率、ひいては業界全体の質的発展をリードしていきたいと考えています。
国内のレンタル事業では、強みである工事部の存在を活かしながら、引き続き販売につなげるための市場を形成していきます。当社は、前中期経営計画において、国内賃貸資産の次世代足場への入れ替えが完了しています。つまり、モノへの投資はすでに終えているので、現在保有している資産を最大限活用すると同時に、ビジネスモデルをトランスフォームするための「仕組み」を構築していきます。
市場が成熟化する中、製品を自ら在庫として管理し、お客様に貸し出すことで元金を回収するという従来の「レンタル事業」のビジネスモデルのままでは、長期的に成長し続けることは望めません。例えば、製品の販売においても、納品して終わりではなく、そこに新たなサービスを付加していくなど、お客様にとっても価値のある仕組みをつくることが重要です。
そのために、工場や機材センターに様々な機能を持たせていきます。その取り組みのひとつが無人化です。無人化は、運用効率の向上や人材の有効活用につなげることができますが、それにはロボット化やAI技術の導入が必要なほか、製造工程においても数量管理など、作ったあとの管理業務を意識した取り組みも求められます。新中期経営計画では、IT技術を駆使したシステム構築を進め、労働集約型からの脱却を図ります。

一方、販売事業においては、メーカーとして、開発力や製造原価を意識したコスト管理能力を高めていきます。次世代足場「Iqシステム」や農業用ハウス、制振装置をはじめとする構造機材を、さらに付加価値の高い製品へと進化させていくことが必要です。よりリーズナブルで、競争力のある製品を提供できるよう、工場の見直しを含めた生産性向上を図っていかねばなりません。ホリーと一つになったことで、企業文化を一本化でき、働きやすく、人材を育てやすい環境も整いました。今後、事業本部制のもとで、さらにスピードを上げて取り組んでいきます。
レンタルと販売の両輪をさらに連動させ、ITを駆使してビジネスモデルを変えることで、よりグループ内だけでなく、お客様ともつながっていく。これにより、単にモノが良い会社ではなく、優れた「仕組み」を提供できる会社に進化していくことを目指しています。

基本戦略:ストック型+フロー型ビジネスモデルの収益イメージ

安定的に収益をあげているストック型ビジネス(レンタル事業中心)に、変動はあるものの成長性を見込めるフロー型ビジネス(製造・販売事業)、成長ポテンシャルのある海外事業を組み合わせ、中長期的に高い収益性と成長を実現できる企業グループを目指します。

成長ドライバーとして海外事業と新規事業を本格拡大

ホリーベトナム(有)

耐候性パイプハウス「G-Castleシリーズ」

当社はこれまで、海外拠点を積極的に拡充してきましたが、拠点間の交流や連携の遅れなど、課題がありました。しかし、ここ数年で経営基盤や供給体制の整備などに重点的に取り組んだことから、点と点がつながり、一つの線として機能するようになってきています。現在は海外事業部の主導のもと、人材交流を進めており、韓国、フィリピン、ベトナムの各拠点の連携を強めながら事業展開を図る仕組みを磨いています。

新中期経営計画では、海外事業を収益の柱とするために、生産拠点や機材センターなど事業拡大に必要な投資を実行していきます。その一環として、ベトナムを東南アジア向けのマザー工場として強化すべく、第3期となる拡張工事が進行しています。ベトナムとフィリピンに機材センターを新設するほか、今後も海外拠点を適宜増設していく計画です。
また、積極的な海外展開を進めている当社に関心を持っていただき、海外企業からお問い合わせをいただく機会が急速に増えています。今後、新たなアライアンスのチャンスも増えていくことと考えており、期待しています。

有望な市場として期待しているアグリ事業では、足場での経験を活かして農業用ハウスの事業をさらに進めていきます。自社での人材育成やマーケティングに加え、M&Aを通じたノウハウや人材の獲得も選択肢に加えています。2018年4月には、農業用グリーンハウス事業を農業関連メーカーより譲り受けるための譲渡契約を締結しました。これからも事業拡大に向けた人材の確保を進めながら、営業展開を活発化させていきます。

新たな未来を創る人材の重要性

あらゆる面で「トランスフォーム」を進めますが、これを成功させるカギは人以外ありません。求めるのは、新しい未来を描き、自ら動き、企画し、「仕組み」をつくることができる人材です。次の未来を担う人材の採用と育成、そして活用を経営の最重要課題として進めます。

当社の離職率は8.2%(2018年3月期)と低いですが、モチベーションを引き出し、それに応えるためにやるべき働き方改革はまだ多くあります。年齢、性別、国籍を問わず、多様な人材を活かすダイバーシティの推進や、社員のやる気に報いるための環境整備を怠ることはできません。

2017年10月には人事制度を改革しました。その中で、営業を補佐する積算課の設置、女性のセールスエンジニアの採用、育児休暇中の在宅勤務など、女性が積極的に活躍できる仕組みを構築しています。
ダイバーシティの推進により、多様な個性が集まり、認め合うことで、より楽しく、働きやすい職場や、収益力を含めた企業価値の向上につなげていきたいと考えます。
さらに一人当たりの売り上げや収益を意識させてその結果に応える評価体系、効率化のためのITシステムの導入など、生産性を高める経営改革を進め、全社員がやりがいを持って働ける職場環境や制度のさらなる充実を図ります。

経営基盤としてのESG

ビジネスモデルのトランスフォームや、海外展開を加速させる中、コーポレート・ガバナンスの重要性はますます高まると認識しています。業界情報など伝えるべき情報の精度を高めつつ、引き続き積極的な情報開示に努めていきます。これまでに、全ての社外取締役・監査役を独立役員とするなど、監査役会設置会社として、コーポレート・ガバナンスの強化を着実に図ってきましたが、今後も怠ることなく取り組みを継続していきます。

さらに、事業環境の急激な悪化、素材や部材の高騰、金融引き締めなど、様々な事業リスクに対する備えという面からも、キャッシュ・フローを重視し、財務健全化を図る必要があります。海外投資に伴う回収リスクへの対応など、グローバルレベルでのリスク管理体制の構築やそれに従事する人材の育成も推進していきます。
また、事業本部制の採用に伴い、各事業本部長に権限委譲を進めています。事業本部長は「カンパニー社長」としての指導力や責任感が問われます。これにより、「成長を前提とした効率」を追求する経営者として、企業を統治できる人材が増えていくことを期待しています。

加えて、マネジメント層のダイバーシティを早期に実現できるよう、海外留学制度を設けて現地スタッフを日本で研修させるなどの取り組みを進めています。
当社の現在のコアである足場関連事業は、社会インフラの構築や改善には欠かせないものであり、事業活動そのものが社会価値の提供となります。

また、当社はこれまで高付加価値の製品・サービスを提供してきましたが、特に環境面(E)での付加価値を重視しています。新たな製品を開発する上で、必ずEの要素を加えていくことが、メーカーとしてますます求められてくると考えています。
今後も、事業活動を通じ、社会課題への対応や環境負荷の低減への貢献に努めます。

新たな付加価値の実現に挑戦する企業グループへ

当社は、2019年6月に設立50周年を迎えます。これを機に、2019年4月より、商号を「タカミヤ」に変更します。これまで当社は、スーパーレンタルグループ(SRG)として、建設業界向けの仮設機材レンタルをコア事業として展開する一方で、長期的な成長を視野に入れ、製造・販売関連事業の拡大、海外展開の推進、農業分野への進出などレンタルだけではない企業に向けて挑戦し続けてきました。社名変更は、この取り組みをさらに推し進め、あらゆる面でこれまでにない企業グループへ「トランスフォーム」するための第一歩でもあります。

「業界の質的発展を牽引する企業グループを目指す」という経営ビジョンの実践なくして、当社の持続的な成長は考えられません。当社が目指すべきは、新たな事業の可能性を見据え、それを仕組みとして構築・提供できる企業グループです。そのためには長期的な視点で基盤や体制を築いていかねばなりません。また、新たな取り組みを進めると同時に、収益にもこだわっていきます。
成長や基盤強化のための投資を進めますが、一方で、株主の皆様への利益還元については、引き続き安定配当をベースに業績に見合った還元を進める方針に変わりはありません。今後は配当に限らず、株主の皆様への還元方法を検討する考えです。

今後も付加価値の高い製品の開発・提供だけでなく、新たな「仕組み」の提供を通じて、収益力やブランド力などの企業価値の向上に向けて挑戦を続けてまいります。
株主をはじめステークホルダーの皆様には、引き続き長期的な視点でご支援、ご期待いただきますようお願いいたします。

商号とロゴマーク変更のお知らせ

2018中期経営計画において、「トランスフォームにより新たな価値を創造し、業界の質的発展を牽引する企業グループを目指す」というビジョンを掲げ、商号とロゴマークの変更に至りました。
シンボルマークは、漢字をモチーフとしていることから、日本古来の紋章に通じる品格があり、かつ無駄のないシンプルさにより、普遍的で洗練された印象を与えます。また、独楽を想像させるシンメトリー(線対称)は、遊び心やバランス感覚をもち、未来志向で一変する、トランスフォームする、当社グループを象徴するデザインです。